筑波大学 理工学郡 社会工学類 編入体験談

今回は、筑波大学 理工学郡 社会工学類の編入体験記を書こうと思います。

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北陸の高専 電子情報工学

 

書いてる人の性能は

専門性:皆無

1年次 4~10位

2年次 9位

3年次 4~13位

4年次 2位~7位

TOEIC変遷

3年12月  335

4年7月  430

4年9月  630

4年10月 680

4年2月 735

4年3月 770(提出)

 

英検準二級 (合格)

英検二級 (不合格2回)

基本情報技術者(不合格)

ITパスポート(合格)

 

 英検二級と基本情報技術者は結局取得できてません。もう一度受けるつもりもありません。

 

 筑波大学編入生を比較的多く受け入れている大学です。

受験科目数が少なく、東大や阪大などの滑り止めに使う人も多いらしいです。

自分の受けた社会工学類は、TOEICと数学のみでした。

 

 ~志望のきっかけ~

 正直に書きます。受験科目が少なかったからです。研究には全く興味がなく、ただ大学生になって遊びたい、高専卒は嫌だという不純な理由です。経済学に少し興味があったというのもあります。

 物理や化学、専門科目の勉強をする気力がなく、数学だけならやってやるかというなんとも舐めた意識で編入を志望していました。

 

~ TOEIC開始(4年8月)~

 この時点で数学の知識は0、TOEICは400と絶望的な状況でした。まずはTOEICだけをひたすらやり、4年3月で770まで”気合で”上げました。TOEICについてはまた記事を書きます。まじで気合が大事です。

 

~ 数学開始(4年3月)~

 4年2月まではほぼTOEICしかやっていなかったので春休みから約4か月で数学を仕上げなければなりません。幸いにも数学の教員がとても親切にしてくださり、春休み中にも学校に行き、ひたすら数学の質問をぶつけていました。家で徹底研究を解き、わからない問題はすぐにとばして次の日先生に質問していました。

 クラスに数学の天才(数学科志望)が二人いたため、その人たちにも数学の問題を送り付けては教えてもらっていました。

 今まで公式をただ暗記して乗り切っていただけでしたが、いろいろな定理のつながりや導出課程、発想をしり数学が急に楽しくなりました。

 春休み中におなじみの徹底研究、徹底演習を丁寧に一周しました。難しそうな問題にも果敢に挑戦し、とにかく発想の引き出しを増やすことを意識しました。過去問にはまだ手を付けていません。春休みは毎日10時間ほど勉強しました。

 

~5年4月~

 筑波の社会工学類は編入数学では出題されにくい統計が範囲に入っていたため、確率の勉強も兼ねて、大日本図書、マセマの確率統計、細野確率を一周しました。確率は3年生の時に単位を落としかけた苦い思い出があったのですが、細野確率をやったおかげで確率への苦手意識がほぼ消えました。細野確率は絶対にやった方がいいです。やりましょう。 

 統計は基本的な推定検定を対策すれば大丈夫だと思います。ヨビノリがちょうど良さそうな推定検定の動画を出していたためそれをみてまずは勉強し、そのあとにマセマ、大日本図書の順に勉強しました。マセマはすごくわかりやすくていい参考書だと思いますが統計に限っては大日本図書の方が分かりやすかったです。

 4月中旬に一通り確認統計の勉強を終え、編入数学過去問特訓を始めました。個人的には王道の問題集のなかで一番難しかったです。特に1章2章のC問題がえげつなく難しく感じました(阪大基礎工、東工、東京と書いてあるやつが特に)。

 数学の天才二人と毎日のように放課後教室のホワイトボードを独占して勉強をしていました。受かったのはこの二人と数学の教員のおかげだと思っています。その天才は解答の書き方まで美しく、それをみて必死に解答の書き方も身に着けました。編入試験は途中課程をしっかり見てくれるので綺麗に記述することは重要だと思います。過去問特訓をヒイヒイ言いながらなんとか一周し、Twitterで入手した過去問を一通りやってみました。

 個人の主観ですが、筑波はめちゃくちゃな計算力が必要な問題はあまり出題されず、定義に関してしっかり頭に入っているかを問うような問題が多いと感じました。

 ここで統計の問題で分散などを出すときの地味な計算が厄介なことに気づきました。Twitterで喚き散らしていると、社工編入の先輩から、

 「記述をしっかりしておけば細かい手計算は多少ミスっても大丈夫だよ」という親切なアドバイスをいただき、どの確率変数がなぜこの分布に従っているか、この確率変数を使う理由なども詳しく解答に書くようにしました。そのおかげで推定検定に関しての理解がさらに深まり、かなり自信がつきました。

 

~5月~

 過去問がひと段落し、大学編入のための数学問題集をやり始めました。この時期に新しい参考書に手をつけるのは賛否両論あると思いますが、とにかくいろんな問題に触れることも大事だと思います。一週間ほどで一周し、わからない問題も全て質問して解決しました。ここから受験まではひたすら今までやった問題を周回しました。

 

~6月~

 かなり体に疲労が蓄積し、プレッシャーに押しつぶされそうでした。学校に来て友達と話すことが一番の気分転換でした。ベクトル空間もよく出題されるため、色々な証明の練習もしていました。証明の練習はやっているうちに定義や定理が頭に入るのでおすすめです。一次変換が苦手で重点的に対策していました。

 このころになると周りの友達はみんな進路が決まって遊び始めるので辛かったです。

 どうしてもつらい日、しんどい日は早めに寝て次の日に備えましょう。

 学校の友達に受験がんばってねと応援されるのが意外と力になりました。

 いよいよ受験当日です

 

~受験本番~

 会場の下見をするために前日入りしました。前日の夜は問題は解かずに定義、定理の確認をして、いろいろな証明をまとめたノートを眺めて早めに就寝しました。

 日航ホテルに泊まったのですが、朝食がめちゃくちゃ美味しかったです。朝食を食べ、バスで大学へ向かいました。社工の試験会場のある第3エリア前でバスを降りました(応理、工シスも同様)。めちゃくちゃ暑かったです。緊張よりも暑さが勝っていました。暑すぎて長ズボンの裾を膝上までたくし上げていました。

 涼しい試験会場に入り一息つきながら筆記用具を出しているとシャー芯が一本もないことに気づき、後ろにいたイケメンにもらいました、ありがとう。

 直前も前日同様、定義、定理の確認をした後はぼーっとTwitterを眺めていました。

 

以下、試験内容です

問1 固有値を求めて、直交行列で対角化

 めちゃくちゃ簡単でした。これ解けない人はどこも受からないと思います。行列式も計算しやすいようになっていたので楽勝でした。完答。

 

問2 一次変換、正射影?の問題

(1)転置A*Aが正則であることを示す

(2)正射影がどうのこうの

(3)正射影がどうのこうの

(1)は解けたが2と3が本当に意味不明だった。見た瞬間一旦難しそうだから飛ばして戻ってきたがやっぱり意味不明だった。

 

問3 ガンマ関数

(1)ガンマ関数がn!になることの証明

(2)(x^m)*(log x)^mの置換誘導付き定積分

(3)Σとインテグラルの式の等式の証明

 (1)は問題集でよく見る問題なので簡単、(2)は途中でキモイ積分になるが一生懸命変形したらガンマ関数が隠れていて解けた。(3)は一見難しそうだったが前の問題でだした積分を代入すればすんなり行けた。完答。解けてうれしかった。

 

問4 偏微分、陰関数微分ラグランジュ、極小判定

 与えられた関数を問題通り微分とかするだけだがかなりキモイ答えになった。最後計算間に合わなかった、8割ぐらい?

 

問5 超簡単な推定3つ

 一番警戒していた統計だったが簡単すぎて拍子抜けした。推定の勉強の一番最初にやるめちゃくちゃ簡単なところだったので楽勝だが、計算ミスが怖いため、記述をたくさんした(母集団ガー、標本平均ガー、これに従うから~、的な)。

 

問6 ポアソン分布と指数分布の関係

 全然わからなかった。手も足も出なかった。

 

 問2と6以外は解けたかなーって感じでした。面接で解きなおしさせられるという情報があったため、Twitterで繋がった東大志望の人とカフェで答え合わせした。奇跡的に解けてないところがほぼ一緒で少し安心した

 他の高専の人と話す機会が全くなかったため新鮮な気分でした。雑談もたくさんできて楽しかった。

 夜は軽く用意していた面接シートを眺めて寝ました。

 

~二日目~

一日目同様美味しい朝食を食べて会場に行った。面接は出願早い順で、2時間ぐらい待たされた。暇すぎて途中寝てた。

 

面接内容

1:3  めっちゃ優しい

・志望動機

 MAS(マルチエージェントシミュレーション)やりたい、経済勉強したいetc

・いきたい研究室

・研究について(かなり深堀された)

 やってるシミュレーションについて説明してそれについて色々聞かれた。

 ex.)MASで再現する目的、マルチエージェントの特徴、開発環境など

・試験の出来

・試験の難易度はどうだったか

 問2、6がむずかったと答えた
・研究以外で社会工学類のどこに惹かれたか

 なんて答えたか忘れた校
・数学の勉強法について

 数学の教員が親切にしてくれたと答えた
・統計は独学か

 一個上同様
・英語の勉強法について

   TOEIC対策について話した
・併願校

 

面接はあまり覚えていませんが、面接官が穏やかで話しやすかった。一つも詰まることなく答えられたので満足でした。解きなおしはありませんでしたが、黒板が置いてあったので準備しておいた方がいいかも、?

 

 解けなかった問題はおそらく一か月後に試験受けていても解けなそうな問題だった。

いつも解けるのに解けないみたいなこともなかったので結果はどうであれ全力を出し切れたのでとてもすっきりしていた。

 受験はこれで最後だったため秋葉原うな重を食べて帰った。

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~結果~

  合格だった。学校のラウンジで一人で見て手の震えが止まらなかった。今までの人生で一番うれしかったです。すぐにお世話になった先生にお礼を言いに行った。

 28人受験9人合格でした。

 

一日目の夜に散歩でたまたまいった公園の噴水が綺麗でした

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